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才教ダイアリー

1から創り上げた最高の舞台(2)

投稿日:2023.11.02

 それでも、一方で「もっとこうした方がいい」というアドバイスもたくさんいただきました。特に、9年生からの言葉は、8年生にとって大変ありがたいものでした。しかし、いただいたアドバイスを具体的にどうやって劇中に創り込んでいくのか、どうやって2%の出来栄えから100%にするのか・・・。それを考えなければいけないディレクターの肩に、重圧がのしかかります。
 本番までの残り少ない貴重な時間を本当に生徒に託していいのだろうか、という不安は我々教員側も持っていましたが、『サポートに徹する』と決めた以上、見守るしかありません。


 そんな我々の心配をよそに、ここから8年生の怒涛の快進撃が始まりました。これまであちこちに向いていたベクトルが、ようやく一つの方向へと向いてきたのです。
 校内リハーサルが終了した後からゲネプロまでの10日間で、ありとあらゆる場面が見違えるほどバージョンアップされました。オープニングの歌の振り付けの変更から始まり、特に課題だった前半部分が大幅に改善され、よりわかりやすく、クスッと笑える場面も加えられるなど、この急激な変化に度肝を抜かれました。
 さらに、ゲネプロと本番の間のたった2日間、その限られた時間の中でも、よりよいものを創ろうとディレクターを中心に変更が加えられました。
 特に衝撃だったのは、前日練習の際の変更です。ディレクターが私に、A4サイズの裏紙を大量に欲しいと言ってきたので、ビラを配る場面(ちなみに暗転中のこの場面も改善されました)で予備として使うのかなと思いました。ところが、ムーンとレイラがクリスタル劇場を訪れた際の受付の場面で(この場面も登場人物が増え、セリフが加えられたことでとてもわかりやすく改善されました)、なんと受付の人がずっこけて、大量の紙を床にぶちまけるという場面が加えられました。教員主導であれば、本番前日にこのような変更は絶対にありえません。
 これ以外にも、ギャングのラジオ体操の場面や、レイラが歌う場面などでも大幅な変更が加えられました。度胸があるというか、怖いもの知らずというか。「自分たちの舞台をよりよくしたい!」という一心から飛び出るディレクターたちのアイデア、発想力、そしてそれに応えるディレクター以外の生徒たちの柔軟な対応力、どんどんと舞台が面白くなっていくのを目の当たりにして、それまでの不安が影も形もなくどこかに吹き飛び、一体どこまでブラッシュアップされるのだろうかと、ワクワクした気持ちでいっぱいになりました。


---(3)へつづく---

9年生からのアドバイスを聞く(10/13校内リハーサル)

本番前日。急遽変更が入り、打ち合わせをする8年生(10/28)